今回、訳あって PHPerKaigi 2023 というプログラミング言語の PHP をこよなく愛する人々(PHPer)が多く集まるイベントにオフライン参加しました。このブログでは自分の所属を明かしてないので若干ぼかしますが、とある LT で登壇して5分だけ喋りました。
この手のイベントに参加する人は基本的に技術のことが大好きで、技術的なコミュニケーションを楽しめる人が多いという認識です。一方で、自分は今までの経験から技術系イベント(及び会話)には大変苦手意識があります。また、基本的には裏方のお仕事なので、会社の名前とセットで対外的な場に顔を出したことはありません。いわゆる陰の者です。
そんな人がどういう感想を持つのか?みたいなところを書き残せると少々物珍しいのではないかな?と思い書き残してみることにします。
さっとまとめると、自分自身に対しては色んな振り返りが発生した一方で、イベント自体はとても面白くあたたかいものに仕上がっていたなと思いました。
参加のきっかけ
「技術的な問題の作成に興味あるメンバーはいますか?」
というお知らせを社内で見かけて、(おもしろそう~)と裏で雑に呟いていたところを社内のメンバーに拾ってもらったのがきっかけです。それがたまたま PHPerKaigi の催し物に関連していたといったところです。
なので、最初から「PHPerKaigi に参戦するぞ!」と強い意志を持っていたわけではなく、たまたま見かけたお知らせに軽く反応したところを偶然拾ってもらい、あとは流れであれよあれよと PHPerKaigi への現地参戦が決定する運びとなったというのが参加までの流れです。
前書きにもあるように、技術系イベントや会話に対する苦手意識は根強く、現地参戦するのは怖い気持ちがありました。(このへんの理由については、後の自分自身の振り返りの項目で書きます。)
でも、昔のトラウマを払拭するきっかけにもなるかな~という思いもあり、せっかくの機会でもあるので現地参戦して自分なりに楽しんでみよう!ということで、当日を迎えます。
実際にイベントに行ってみて
このイベントは day0, day1, day2 の3日間開催であり、day0 は前夜祭の扱いで夕方からの開始となります。自分は「day1 のオープニングから参加しようかな」と最初考えていましたが、前日睡眠失敗し、寝坊してオープニングの次のセッションから現地入りすることになります。(day2 も若干寝坊します。)
セッションのお話を聞きつつ、Twitter のハッシュタグで実況がされているので、それを眺めつつ、自分も時々実況するという過ごし方です。
気になったセッション
正直、睡眠にだいぶ失敗していたため集中して聴けてないセッションがありましたが、そんな中でもいくつか印象に残ったものはありました。(十分聞けなかったものは後で録画をおっかけることが可能なので、時間とってまた堪能しようと思います。)
↑ブラウザにアクセスして正常な応答が来るまで、裏で何が起こっているのかを順に丁寧になぞっていくお話。この手のお話は過去どこかで一度学んだことはあるはずだけど細かいことは忘れている…というパターンが結構あるかと思います。初学者も集まるイベントなので、こういった話はそういう人にとってありがたいと思いますし、自分みたいな「細かいところはそろそろ忘れてるな~」となっている人にもありがたい復習になるお話だと思いました。
↑「便利コンテンツ紹介!」なお話。商品のレビューを見ているような気持ちで聞いてました。
プログラミングで基本的な文法を勉強した後、じゃあ次に何をやる?となったときに「何らかのアプリケーションを作ってみよう!」という流れはありがちで、「じゃあ何のアプリケーションを作ったら良いんだろう?」という壁にあたるのもまたありがちだと思います。ここで紹介されている CodeCrafters は今現在名が知れているソフトウェア(の主要な機能)をもう一度細かいステップを踏みつつ作ってみよう!ということができるサービスのようです。(”Redis を PHP で作ってみる”を例に説明されていました。)
自分自身、美少女フィギュアの購入を検討するときにネットでレビュー記事など検索して参考にすることがありますが、このような「とあるサービス使ってみたよ!」というレビュー的な解説もまた同様に非常に参考になって役立つものだなと思いました。
↑Web アプリケーションを作るときに使われがちな「フレームワーク」について紐解くお話。
個人的な話として、未だにフレームワークというものが何者なのかを肌感覚で理解できていません。自分が普段仕事で触っているアプリケーションはいわゆる「自社独自のフレームワーク」であり、逆に世の中のスタンダードを触った経験が無い。それゆえ、自分にとってフレームワークは細かな正体も分からずなんとなく触っているものです。
そういうレベル感の自分にとっては、こういう話を聞きつつ自分の手元でも触りつつ、今まで得体のしれないものとして捉えていたフレームワークを少しずつ心から理解していくのが大事なんだろうなぁ…などと話を聞いていて思いました。
(過去、自分の就活の面接で「フレームワークを使ったことはありますか?」と質問され、質問の意味が分からず面接官に唖然とされてしまい、「それはさすがに厳しい」とコメントをいただいたことは非常に印象深い思い出です。)
↑内部実装調べてみたぞ!なお話。自分は普段トラブルシューティングのお仕事をメインとしていることから、担当している製品の内部の内部まで潜って調査することはありますし、MySQL や PHP の中身どうなってんねんとかが気になることもあります。こういう調査は独特のコツが必要だと思うので、「自分なりにこういう参考文献をあたって、こういう調べ方でこういう結論にたどり着きました」という話を発信していただけるのはたいへんありがたいなと思いながら聞いてました。
LT(Lightning Talks)
自分が登壇することにもなった LT については、他のトークセッションと比べると全然違う雰囲気で面白かったです。まず、ペンライトが配られます。(!?)
LT はタイムキープが大切なのですが、5分の制限時間のうち残り30秒となったタイミングで登壇者の推しカラーでペンライトを振ってもらえるという仕組みです。なんと、人生で初めてペンライトを振られる側になるという経験をしました。素晴らしいですね。
オフラインならではのワイワイ感もあいまって、非常に楽しい雰囲気でした。
自分の発表に対するリアクションなどもいくつかいただけて、ありがたかったです。
その他会場の仕掛け
その他、会場で偶発的なコミュニケーションが生まれそうな仕掛けがいくつかあるなと思いました。
- スポンサーのブース
- PHPer 大喜利が書けるホワイトボード
- ポスターセッション(学会発表でありがちなアレ)
- 飛び込み LT コーナー
などなど。PHPerKaigi は相互のコミュニケーションを非常に大切にしているイベントだというのは、実際の会場の様々な仕掛けからしっかり感じ取ることができました。
一方自分は、自分から他の人にコミュニケーションを積極的に取りに行くメンタリティは持ち合わせていなかったので、現地で会社の同僚とご挨拶したり、たまたま仕事上で面識のあった人とご挨拶をしたり程度にとどまりました。(そういう機会があっただけで、めちゃありがたい!)
こういう仕掛けを活用できると、よりこういうイベントは楽しむことができるのだろうな~と思いました。
自分自身の振り返り
自分の技術的な世界とのつながりは大学で情報科学科を選んだところがスタートだったと思いますが、技術的な成功経験よりも失敗経験の方が圧倒的に多く、「成功→ステップアップ→成功」のサイクルではなく「失敗→自信喪失→失敗」のサイクルの方に入ってしまいました。
そういった中で参加した技術的な交流イベントで「どんな研究をしてるの?」と聞かれ、メンタル最悪な自分は「話したくないです…」と答えました。そこで「頭おかしいんじゃないの?」と返事をされたことが強烈なトラウマになっています。その後トイレにこもって出られなくなりました。
(技術交流イベントに行ってるのに「話したくない」となるのを一般的に「おかしい」と思う気持ちは分かります。)
そういった、技術的なコミュニティの中での失敗経験が根強く心に残っています。今は社内の優しい人々に囲まれあたたかい生活をしていますが、ひとたび社外に出ればまた失敗経験をしちゃうんじゃないかという怖さは、どうしても拭えませんでした。
今回 PHPerKaigi に参戦し、そういった怖い経験というのは一切なく、むしろイベントからはあたたかい雰囲気を感じ取ることができました。自分からコミュニケーションをとることを積極的にせず、発生した数少ないコミュニケーションも決してうまくできたわけではありませんが、多少はこういうイベントに対する怖いと思う気持ちを緩和できたのではないかな~と思います。
また、技術に対する好きの気持ちや熱意は人それぞれだというのは改めて思いました。
自分自身は技術のことが好きではありますが、あくまで何らかの問題解決の手段として使える面白いものだという認識であり、難しい調査事項があったとしても割と苦痛なく調べられるとかそういった温度感です。
「熱意が無いからダメ」と捉えると自分を痛めつけることになるのでそれはせず、「色んな温度感がああってもいいじゃない」という捉え方でやっていこうと思います。
自分は音ゲーに人生のリソースを注ぎすぎた。でもそれは仕方ない!
(「仕方ない」と心から思えるようになることは、人生穏やかに過ごす上でとても大切なことだな~と最近思っています。)
おわりに
こうまとめると雑になっちゃいましたが、総じて良い経験になったのは間違いないと思います!
イベントとしては PHP のコミュニティとしてプラスになるものなのでぜひとも来年もやっていただきたいなーと思いますし、「自分自身との折り合いがついたら、トークに応募なども頑張ってやってみても良いかも?」と思えただけでも大きな一歩です。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント